*きよみのアンティーク*ブログ

Paul Breguette ポール・ブレゲ

*** Paul Breguette History *** 

1911年にEugene Blum&Alice Levy(ウジェーヌ&アリス)夫婦は結婚9年目に
時計製造業としてEBELを設立。

名前の由来は2人の名前(Eugene Blum Et Levy)の頭文字を採って名付けられた
微笑ましい社名ですが、ブルム家3代目のアランの時代には
ヨーロッパシェアはロレックスより上で、誰もが知る世界的規模の一大メーカとなります。

ウジェーヌは技術面を、アリスはデザインを担当していたのですが、
そのセンスは類稀で、その後各メーカーでも作られた
リング型の小さな手巻き時計の先駆けとなり
特許も取得しております。

1914年にベルンのスイス博覧会で、特許を取得したレバー脱進機と
外から見えないリューズを用いたリングウォッチで金賞を受賞しております。

その後アリスがデザインするジュエリーの様な時計は
各イベントでも賞賛を受け、1925年のパリ国際装飾芸術博覧会に出品された
高級ジュエリー時計ではグランプリを受賞しております。
 

この時代に女性を意識した時計メーカーは数少なく
とても特異なメーカーだと思います。

 

1929 年に息子のCharlesが会社 に加わり、
1930年にアメリカ向けに新たなブランドを立ち上げます。
それがポール・ブレゲです。

デザイン性を高く評価される事が多いですが、
ムーブメントも大変信頼が高く、時計ブランドの最高峰とも呼ばれる
ヴァシェロン・コンスタンタンにもムーブを提供しております。

1935年に時計の精度検定テストを行う振動計を導入し、
精度測定と品質管理基準の徹底したスイス初のメーカとなります。

その後も時計技術検定(CTM)の制定や、現在のスイス公式クロノメーター検定(COSC)の
品質管理基準の強化にも影響を残し、技術面でも時計界屈指の勤勉なメーカーです。

その後、孫のAlain(アラン)まで一族経営を守りましたが
1992年に英国アラブ系の企業InvestCorp に買収され、
その僅か7年後の1999年に、莫大な金額で世界最大のファッション企業体の
LVMH(エルヴェエムアッシュ モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)に買収をされました。

VMHに経営が移った後は、ブルム家時代を含む手腕の経営陣の意見は反映されず
売り上げは失速し、LVMHは全権をモバード・コンコルドへ売却。

ファッション企業から時計メーカーへ戻ったエベルは
少しずつ息を吹き替えし、現在に至っております。

一族経営時代の有名モデルの一部は現在も作られておりますが、
やはり・・・こちらもグリュエンの歴史と同様に、
一族経営時代がエベルらしい、ポール・ブレゲらしい
デザインではないかと店主は思います。

当店はアンティーク時計店なので特に
ウジェーヌの勤勉さとアリスのセンスが継承されている50~60年代までが
全盛期の様に感じます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です