言わずと知れたアメリカ最古の時計ブランドです。
1850年にボストンにて企業をしたのですが、会社名は改名を繰り返し
1885年にはじめて「waltham」の名前が登場します。
当時、時計の主力はスイスにありましたが、アメリカで初めて量産を成功させます。
量産と言うと「品質が落ちる」と言うイメージがありますが、
ウォルサムの素晴らしいところは、大量生産でも高品質である事です。
現在でも高級時計にしか見かけない安定性が高いスワンネックの
緩急針を取り入れたり、それは大量生産とは思えない作りでした。
フルオートメーション化した後でさえ、品質においては
スイスの分業型の時計にも勝っていました。
埃が舞いやすいボストンは時計を作るのには不向きとの理由で、
市街のウォルサムに工場を移しており、品質を重視した姿勢がうかがえます。

建物内の絵を発見しました、こんな感じだったようです。

こんに奥までズラリと作業台が・・・ほんとかしら。
絵だから誇張されてるのでは?アヤシイ・・・![]()
ホントでした![]()

大企業だったので、他のメーカーと比べて沢山の写真が残されておりました。
まだ女性がドレスを着ている頃です。



そしてこちらは、川に面した通りです。
反対側の通りは馬車や馬が往来していた様です。

こちらの工場は1989年にNational Register of Historic Places(国定歴史保存)によって
現在もウォルサムの資料館として大切に維持保存されております。
アメリカがウォルサムに誇りを持っている事が良く分かります。

上記写真では普通のファクトリーに見えると思いますが、
実はこんなに大きいのです。

もう町一個分みたく大きいです。
これ程大きな工場を持てた時計メーカーはスイスを含んでも数少ないと思います。
建物内も綺麗になっております。

ウォルサムの正確な走行は高い評価を得て、各国で鉄道時計として使われております。
日本でも1897年に公式時計として採用されております。
↓ 資料館の拡大ポスターです。

鉄道時計ばかりが有名ですが、リンドバーグが大西洋横断した際の
飛行機にはウォルサムの航空時計が使われており、空陸どちらでも
精度の高さに信頼を置かれております。
1876年、日本を含む250ヶ国が参加したフィラデルフィア万博では
機械部門・時計部門の両方で金賞を受賞しており、技術力の高さは
世界からのお墨付きとなりました。
これ程に成功を収めたアメリカ時計はたぶん無いと思います。
機械の精度ばかりを書き連ねましたが、ケースやデザインにおいても尽力を注いでおります。
アールデコやポーセリンダイヤルなど美しい時計を沢山作っております。
創業時のメンバーのアーロン・L・デニソンは、ケースの製造会社を立ち上げており
後に高級ケースメーカーとして名を馳せる、あのデニソンケースとなります。
ウォルサムと言うと懐中時計や軍事時計のイメージですが、
1909年と言う早い時代に女性向けのレディウォルサムの生産を始めております。
こちらは1913年の広告です。

こちらは1928年。

そして1937年。

日本とも馴染みは古く、起業当初1860年に当時の大統領から14代将軍徳川家茂へ
ウォルサムの懐中時計が贈られております。
まだ日本は江戸時代でした。
1881年には札幌の時計台に使われております。
そして、それから数多の時代の波を経て丁度100年目の1981年に
日本の平和堂の傘下となり現在に至っております。
常に品質に目を向け続け、アメリカの時計の歴史を築いた老舗ブランドです。
●追記●
ファクトリーは広大故に使い切る事が出来ず、一部はリノベーションをして
企業やアパートとして貸し出しております。
内部を紹介している動画がありましたのでご紹介します(英語なんですが・・・)。→ こちら ←
現在のウォルサムを空撮した映像です→ こちら ←
川沿いに建てられているのが良くわかると思います。
