こんにちは、店主です
今日はリダンについて書かせて頂きます。
「リダン」、あまり馴染のない言葉だと思いますが
時計好きの間では賛否両論のキーワードです。
汚れた文字盤を書き換えて綺麗にする事をリダンと言います。
リダンは普通の時計士ではなく、リダン屋の職人が行います。
当店もリダンを専門とした工房に依頼しております。
見た目の仕上がりは販売当時の綺麗な状態に戻りますが、
メーカー修理でない限りオリジナル性は損なわれます。
オリジナル性が失われると、何が変わるかと言いますと
メーカー修理が出来なくなります。
しかし、通常はメーカー以外が裏蓋を開けた時点で
メーカー保証は失効してしまいますので、メーカー以外から購入した時点で
厳密に言えばメーカー修理を受けれないのです。
そしてアンティークの修理を受けてるメーカーもとても少ないです。
オリジナル性はとても重要な事だと認識した上で、
オリジナル性以上のメリットがあると店主は考えております。
リダンを間違った認識で毛嫌いされる方も多く悲しく思います。
リダンは新たに作った文字盤ではありません。
インデックスを外して塗料を綺麗に剥がし、
その同じ部品を使って再製しております。
個人的な感想ですが、オリジナルに拘るのは男性に多い様に思います。
実際にリダンを理由に価格が下がるのは男性物です。
女性物はコンディションの良さが重視される事が殆どです。
女性は店主を含め、見た目重視な方が多いかと思います。
カクテルウォッチはジュエリーの要素も兼ねている部分があるので、
美しいが大前提と店主は考えております。
なので当店ではオリジナル性が重要なモデルを除いては、
見た目の綺麗さ優先して修復しております。
例えば
↓こちらは変色も傷みもありますが、アンティークらしい美しい経年劣化です。 ステキ ステキ!
同じ傷みでも、
↓こちらは、美しい経年劣化とは言い難いです・・・。
このタイプが一番店主を悩ますのです・・・
写真では目立って見えますが、実は実物はさほど目立たないのです。
価格を上げてまでピカピカにすべきか、
はたまたお安くそのままご紹介するべきか ドッチ? ドッチィ?
アンティークですと上記の状態に劣化する事が殆どで、
美しく風化するのは稀です
当店では当時のオリジナルで、状態の良い文字盤に交換する事が多いですが、
当時の生産数が少なくオリジナルを見つけられないモデルも多々もあります。
下記はその様な文字盤の1つでもある、ダイヤモンドインデックスです。
仕入れた時はこの様な状態です。
修復後はこちら
とーーーってもキレイ
これだけ違うとリダンのし甲斐があります
もう1点、珍しい理由にてのリダンをご紹介します。
こちらは先日、お客様からOHでお預かりした時計です。
蓋を開けた瞬間、空気の流れと一緒にフワリと文字がめくれて剥がれてしまいました・・・。
オープン以来初めての事で、本当に驚きました。
状態を良くする事はあっても、悪化させる事などあってはならないのに ヒーーーーィ!!
事情をご説明し、色々とご提案をさせて頂きまして、
最終的にリダンでご対応させて頂きました。
そして仕上がりはこちら。
綺麗な仕上がりを喜んで頂けました ヨ、ヨカッタ・・・
リダンは販売当時と同じ様に無傷でピカピカになります。
デットストックの文字盤と比べても違いが分かる程奇麗な仕上がりです。
職人の減少により日本国内でのリダンは難しくなり、
リダンの依頼を受けれる時計店は少なくなり、値段も年々上がっております。
当店の品はリダンの必要のない状態でご紹介しておりますし、
必要な場合は販売前にリダンをしております。
価格は殆ど変わらずご紹介してますので、
もしもリダン済みの品がありましたら、とってもお買い得で狙い目ですよ
「新品みたくして!!」や「変色してきた様な・・・」等のご相談もお気軽にどうぞ
【ご注意】他店購入の時計のリダンは承っておりません・・・すみません。
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