こんばんは、店主です
先日、ペルゴについて書いたのですが店主的に
気になるエピソードを追記します。
時計とは殆ど関係のない、ホントにど~でもよろしい追記です。
フランソワが来日した時代は幕末の混乱のさなかだった為か、
時計の販売だけでは家族を養えず、色々な事を試みた様です。
日本とスイスの修好通商条約の担い手となったり、とか
炭酸ソーダを売ったり、とか
シロップソーダも売ったり、とか。
そんな試行錯誤の努力空しく、フランソワは自宅にドロボーに入られ
大切な時計や金品を盗まれております。
でも、負けずに販売を続けております、
炭酸ソーダを。
当時の広告です。
そして、夢半ばの43歳という若さで亡くなっております。
その際に、フランソワの遺品である全財産が競売にかけられました。
その時の新聞です。
内容を訳すと・・・・
F.A.COPEが4月6日(土)午前10時よりペルゴが所有した
優良物件を現地にて公開競売実地
販売対象となるのは、
138番地の敷地、倉庫、その敷地内の所有物、顧客リスト、蒸気機関、
ボイラー、フィルター、シロップ、サイフォン、炭酸水1万5千本と・・・乗用車(状態良好)。
との事。
ん?
フランソワ?
時計はどうした?
フランソワは本当に時計を売っていたのか・・・
最終的には炭酸水屋だったのでは?
と思いたくなるのですが、
フランソワが売った時計は、しっかり残っていました。
一見すると、ごく普通の品の良い懐中時計の様にみえるのですが
ムーブメントがすごいのです。
ここ↓
アップです。
ガンギ車の横に鶴がいます。
公式サイトのペルゴジャパンの説明では、
「鶴の細工が施されており、ガンギ車をつついているようにも見える」との事。
ま、まさか、この鶴がガンギを回すの?
狂いのないタイミングで?
なんてお利口な鶴なんだっ!
と、興奮気味で時計師さんに聞いたところ
この鶴がガンギを回しているのではなく、
テンプのバランスを取っているのではなかろうか。。。。との事。
*気になる点もあり実際動いてるのを見なければ、確定的な事は言えならしいです。
しかし、目に触れる事のない小さな部品を
日本人が好きな鶴に細工する粋なはからい、
フランソワが日本人を理解し好感を持っていたからそこ作れた時計だと思います。
これには心から感銘を受けました。
フランソワについては謎も多く、まだまだ分かっていない部分が沢山ある様です。
きっと、時計より炭酸水の方が売った本数は多いに違いない・・・。
しかし この1本を見て店主は思うのです、
フランソワは素晴らしい時計屋だ!と。
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