珍しい時計を入荷したので、こちらに詳しくご紹介します
バルカン クリケットです。
世界初のアラーム機能を搭載した腕時計です。
クリケットが販売されたのは1948年ですが、バルカンの創業は1858年の老舗です。
当時は世界でも数少ないマニファクチュールでした。
マニファクチュールとは、すべてのパーツを自社生産して組立まで行える
自社一貫製造できるメーカーです。
通常はパーツはパーツ専門製造会社に、ケースはケース専門製造会社に
外注するのが一般的で、大手有名時計店でもマニファクチュールは極僅かです。
機械式アラーム機能を搭載した腕時計の中で、バルカンは音が大きい事でも有名です。
音の大きさの理由は、バルカンが特許を持っている裏蓋の2重構造にあります。
下記の矢印で指した部分が鐘を鳴らすハンマーです。
アップです。
白く囲んだ部分がハンマーで、水色枠の位置へ前後に動きます。
その際に裏蓋に付いた突起を叩き、2重構造になった蓋で響かせます。
この様な機械式のアラーム機能を搭載した機種は数が少なく、
アンティークではジャガー・ルクルトのメモボックスなども有名でしょうか?
その他、数機種あるようですが、
やはりアラーム機能ではバルカンは大御所だと思います。
では、次は使い方です
何もしていない状態で、巻き上げます。
ここは普通の手巻きと一緒ですが、巻き上げる方向が違います。
文字盤を正面に見て6時方向に回すと、時計のゼンマイが巻き上がります。
逆に12時方向に回すと、アラームのゼンマイが巻き上がります。
アラームのボタンは2段階押し込める様になっており、同時に竜頭も2段階引き出されます。
軽く1段を押し込むと、竜頭が1段引き出されます。
1段引き出された状態を指で更に引き出すと、時間合わせが出来ます。
その際、6時位置方向に竜頭を回す様に注意してください。
通常の手巻きは6時方向でも12時方向でも回せますが、クリケットは一方向です。
そして最後はアラームのセットの仕方です。
通常の状態からアラームボタンを2段押し込むと、竜頭も2段引きあがります。
その状態で6時方向に回しセットします。
こちらも時間合わせ同様に一方向です。
ちょっと複雑ですが、覚えてしまえばアラーム機能は便利ですよ