*きよみのアンティーク*ブログ

BLANCPAIN ブランパン

技術スタッフの宮尾でございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
いつも「きよみのアンティーク」をご利用いただき
また、ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

BLANCPAIN】についてお問い合わせを承りましたので、ご説明いたします。

 

ブランパンの凄いところを申し上げます。

世界最古の由緒正しい時計メーカーであること。
伝統的な技術と新しい技術を併せ持ち、現在でも複雑機構の時計を作っているメーカーであること。
女性用小型時計のパイオニアであること。
◇BLANCPAINの代名詞!「カルーセル・トゥールビヨン」!!

などなど、
まだまだお伝えしたいことが沢山あるのですが、長くなりますので…。

JehanJacquesBlancpain
ジャン・ジャック・ブランパン

創始者であるジャン・ジャック・ブランパン(Jehan-Jacques Blancpain)は、
スイスのベルン州のジュラ行政区にある自治体Villeretの市長であり、
馬や牛の繁殖師でもあり、学校の先生、そして時計師でもありました。

1700workshops-
ブランパン農家(もともと郵便物の中継局として使われていました~現存しています)

1735年に時計事業を開始し、農場の上層階を時計工房に改装しました。1階のゲストには牛と馬。
初めはポケットウォッチ用の部品を作っていました。
時計をコンプリートで作るようになってからはロゴを付けておらず、当時は一般的だった慣習とし
て、商標無しで自社製品を販売していました。この理由から、ルイ16世の懐中時計を除いて、1800
年以前の作品の証拠がありません。しかし、ケースバックには「Blancpain et fils」と書かれた懐中
時計が存在しています。

~ここから一気に200年くらい飛びます~

1930年、フランスの時計メーカー「Leon Hatot」と提携、世界で初めての女性用自動巻き時計とな
る長方形の「Rolls」を発売しました。

Rolls
世界初レディース自動巻き「Rolls」

 

1930年代の大恐慌の影響に直面。乗り切るために一時期、Gruenやjaeger-lecoultreのサプライヤー
にもなっております。

そして、50年代に大きな成功を遂げます。
1953年 世界初の現代的なダイビングウォッチ「Fifty Fathoms」の発売。
特許1.潜水中にリューズが誤って引っ張られた場合に海水の浸透から時計を保護するため二重密閉の
クラウン・システムを考案・特許を取得。
特許2.ケースの中で機械がガタつかないようにする、現在のホルダー・リングにあたる、「O」リン
グを開発・特許を取得。
特許3. 潜水時間を測定するための単方向回転ベゼルの開発・特許を取得。
(偶発的な逆回転を防ぐ機能)

Fifty-Fathoms-
現在のダイバーズモデルのベースとなる「Fifty Fathoms」
私事ですがダイバーズ・ウォッチといえば、先ずこの「フィフティ・ファゾムス」が浮かびます。
ふっくらとした回転べゼルが海に浮かぶタイヤチューブを連想させます。
いつかは手に入れたい逸品です。(現在でも「Fifty Fathoms」シリーズは販売中です)

 

もうひとつの大きな成功は、レディース時計の開発に注力したことです。
1956年に発売された「Ladybird」は世界的な人気を博しました。
(現在でも「Ladybird」シリーズは販売中です)
レディース時計はその小さなサイズだけでなく、非常に堅牢に作られることが必須となります。
技術的な観点から、Ladybirdには2つの主要な革新が加えられました。
1つは今までのギアトレイン(輪列)配列構造を大きく改良し、信頼性を犠牲にすることなくサイズの
縮小に成功しました。
2つめは、天真(テンプの軸)に対する耐震装置の追加改良でした。これにより、Ladybirdキャリバー
のマイクロサイズに適合させることが可能になりました。
Ladybird
ハイジュエリー「レディバード」シリーズ

 

Ladybird-1
直径11.85 mm、世界最小ラウンド時計「レディバード」

LadybirdはBlancpainという名前で販売されている時計と、異なる時計ブランドと宝石店の名前で販売
されている時計の両方で、巨大な商業的成功を収めました。また正方形モデルの開発・販売もされました。

MarylinMonroe
マリリン・モンローが所有していたLadybird。71個のラウンド・ダイヤモンドと2個のマーキーズ・ダイ
ヤモンドが飾られています。2016年に開催されたオークションにおいて$225,000で買収され、ブランパ
ンの永久博物館のコレクションとなっています。

 

1984年には世界最小の機械式動力部を開発、1989年には世界最薄の動力部を開発するなど、確かな技術力
を持ち、現在は複雑機構の時計ブランドとして復興を果たしています。

1991年 当時、一般販売可能なモデルとして世界で最も複雑な腕時計「Grande Complication」を発表し
ました。
この卓越した時計は、1分のトゥールビヨンレギュレーター、ムーンフェイズと月齢の永久カレンダー、
同軸スプリット秒クロノグラフ、バンド上のスライドで作動する分リピーターを備えています。
このモデルは1個作るのに10ヶ月以上の作業を必要とする為、1991年から2009年にかけて、わずか30個
しか生産されていません。

Blancpain 1735
「Grande Complication 1735」

 

2008年、ブランパンは一世紀以上も忘れられていた複雑機構※「 カルーセル・トゥールビヨン」を復活さ
せ、初めて腕時計に組み込むことに成功しました。

※時計の調速機構である「テンプと脱進機」は、垂直位置にあるときに重力の影響を受けます。一般の時計
は「重力の影響」で減速や加速する現象が必ず起こります。
しかし、「トゥールビヨン」または「カルーセル」は「テンプと脱進機」を回転させることで垂直方向の姿
勢差を分散し精度誤差を解消しています。 トゥールビヨンが回転するキャリッジを備えているのに対し、
カルーセルは、テンプと受けが配されたプレートで構成されており、それ自体が回転木馬のように回転する
仕組みになっています。ここから、カルーセル(回転木馬)と名付けられました。

ブランパン工房があるスイス・ジュウ渓谷の地名を銘打った「ル・ブラッシュ
これでもかっ!って、くらいに「トゥールビヨン」と「カルーセル・トゥールビヨン」をダブル搭載しています。
もはやケースの中は無重力になっているのではないかしら?

Le Brassus
12時位置が「トゥールビヨン」、6時位置が「カルーセル・トゥールビヨン」
https://www.blancpain.com/ja/2322-3631-55b

「水深計」機能など数々の複雑機構を手掛けるメーカーなので、解説を読んでいるだけでも愉しめますよ。
https://www.blancpain.com/ja/complications-horlog-res-ja

 

現在はスウォッチ・グループにありますが、ブランパンは伝統に忠実であり、パフォーマンスと精度、
また現行モデルを見てもお判りなるかと思いますが、特に女性のエレガンスを演出する時計を作り続
けています。

銀座にお出かけの際は、是非ニコラス・G・ハイエック・センターのスウォッチ・ブティックにお立
ち寄りください。(若干、入り難い雰囲気はありますけど…)
ロレックスやオメガも素敵な時計ですが、ブレゲ・クラスに並ぶBlancpainの伝統的エスプリと真の
HORLOGERIE(オルロジュリー・高級時計)の世界をお愉しみ頂けるかと思います。

 

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